OW備忘録

Overwatchの戦略など、思い付いたことを書き残しています。

ダイブ編成論:役割理論と押し付け戦法

どうも、五十鈴エルフです。

先日のマーシーの記事が想像していた100倍くらいの反響(冗談抜きで)で驚いている反面、そう捉えられちゃったか・・・と申し訳なく思ったり何か考えるきっかけになったような雰囲気でうれしく思ったりしております。

さて、今回は前回に引き続きダイブ編成についての記事です。

 

<ダイブ編成論:役割理論と押し付け戦法>

前回に引き続いてのダイブ編成記事です。前回は2つの原則について考えてみましたが、今回は編成や戦術といったもう少し具体的な部分に触れていこうと思います。

ダイブ編成の面白さと同時に難しさともなっているのがその性質に起因する甘えに対する厳しさです。上手くいけば気持ちよくサクサクと勝てるものの、何かが嚙み合わなければ即崩壊敗北街道まっしぐらというのがダイブ編成です。我々のクランでもまだ発展途上で様々な苦難と戦っているところです。さて、そんな我々ですが先日の大会では最終的に1試合を除き全試合でダイブ編成を使って戦ったわけですがほぼ全ての試合で別々の編成を出していきました。正直練度不足で一つに絞って出せる状況じゃなかったというのもありますが、実はこれから紹介する役割理論に因る部分が大きいのです。

 

役割理論

クランDivineでDPSFlexが(主に自分から)口を酸っぱく言われてるのが「相手の編成に対して役割を持てるか考えろ」ということです。この「役割を持っている」というのはざっくりいうと「相性◎の敵がいる」というような感じの状況のことを言っています。さらに言えばそれが他のキャラで対応できないもしくはしづらい相手であればなお良しです。例えば、ウィンストン・ファラ・トレーサー・ゲンジの3DPSダイブのとき、ソルジャーに対して相性◎といえるのはウィンストンとゲンジです。このとき「ウィンストンとゲンジはソルジャーに対して役割を持っている」というように言い、またこの二人が予定通りソルジャーを瞬殺することを「役割を遂行する」と言い、苦戦するもしくは倒せなかった場合「役割を遂行できていない」というように言っています。瞬殺したかどうかが役割遂行のポイントです。また逆に、相手がラインハルト・ロードホッグ・ザリア・ファラ・ルシオ・アナといったような編成のとき、対オフェンスを得意とするゲンジは非常に戦いづらいです。こういった状況を「ゲンジは役割を持てない」というように言います。ここまではいわゆる「刺さる」「刺さらない」という二極論と同じですが、役割理論ではもう一つの要素があります。Shadder2k加入後のTeam Liquidのダイブ編成で見られるのですが(最近はあまりしてないかも)、役割理論としてはオーバーワークと言える役割をこなしているように見えるシーンがあります。たしかRogue vs Team LiquidのIlios Light houseだったと思うんですが、Rogueがウィンストン・D.Va・ファラ・トレーサー・ルシオマーシーで、それに対してTeam Liquidがウィンストン・D.Va・ファラ・ゲンジ・ルシオマーシーでした。この時の編成の差は言うまでもなくゲンジかトレーサーかの差ですよね。トレーサーはウィンストンやD.Vaに役割が持てますし、無理をすればファラにも圧力をかけられます。それに対してゲンジはタンクには役割を持てませんし、ファラも苦手、トレーサーも得意な相手ではないはずですので役割を持てません。「これはLiquidの編成ミスだなぁ」と思いながら見ていると、さすがはShadder2k、NAナンバーワントレーサー相手にごり押しで役割を遂行してエンゲージに勝っていたんです。このような本来は厳しい相手でもスキルごり押しでオーバーワークして役割を遂行するというパターンが存在します。

さて、この役割理論がダイブの編成にどうマッチするかという話です。前述したようにダイブ編成は編成・戦術に甘えが許されません。前回の記事でも書きましたが「相手の要注意ターゲットが一人でもフリーだと厳しい」のがダイブ編成です。つまり、考えうるどんな要注意ターゲットが出てきても即時対処できる編成でないといけないわけです。そのために編成を組む時点で役割分担をしておき、誰が対応できるのかを決めておく必要があります。さて、ここでよく記事を読んでくださっている方なら気付かれる方もいらっしゃるかもしれません。原則その2「多対一の原則」と合わせると、サポートは抜いて4人だから、同時に役割持てるのは敵キャラ2人だけなのでは・・・?

まさに、その通りです。自分の理論に基づいた(凡人のための)ダイブ編成では基本的に同時に対処できるのは2人までです。ラインハルト・ザリア・ロードホッグ・ソルジャーの編成の相手は得意です。ロードホッグとソルジャーに同時に当たれるのでザリアのバリアさえ撃たなければ、ウィンストンゲンジ→ソルジャー、トレーサーソルジャー→ロードホッグ(不和)というような感じで無理なく当たれるので余裕です。ラインハルト・ロードホッグ・ファラ・ソルジャーとなると、これめちゃくちゃきついです。原則通りだとどう頑張ってもロードホッグかファラかソルジャーがフリーになるのでウィンストンが即死するかファラがフリーでサポートが死にます。ではこういうとき役割理論ではどうするのかというと、そうです。ちょっと無茶します。人によってできることは違うと思いますが、自分がやってたときはウィンストンゲンジ→ソルジャー、ソルジャーゼニ→ファラ(不和)、トレーサールシオ→ロードホッグというような感じで、ロードホッグとの対面でルシオがオーバーワークしてます。

このように役割理論を用いればどのキャラが浮いてしまうのか、どのキャラが無理できるのかというところまで考えることができます。

 

押し付け戦法

さて、次は戦い方についてです。クランでダイブ編成の練習をしている中でダイブの最大の強みであると感じた点が押し付け戦法です。ダイブ編成は言うまでもなく機動力命・速攻即滅上等の編成ですが、そのおかげで特徴の一つにどこでも戦えるというものがあります。DivineはAnS杯決勝3本目のルート66防衛では開幕ペイロードが動いた直後にエンゲージを始めました。RogueはKing's lowの中間防衛ではリスポーン出口の上に陣取るという衝撃的な戦い方をしますし、Lunatic Haiも使っていた戦法ですがDorado第一CPのアーチ下で当たらずに初めの坂道の時点で高所から撃ち下ろしてエンゲージを始めたりもしていました。これは何もビックリドッキリ戦法で一泡吹かせてやろうとかっていう意図ではありません。そこが一番強いからそこで戦うんです。具体的に言うと高所有利と相手が高所に対して干渉しやすいかどうかです。脆いソルジャーやゼニヤッタを安全地帯に置きながら火力を出して、下では攻撃が当たりづらいフランカーがかき乱すというような状況をどこが作り出しやすいかという点のみを考慮してポジショニングした結果、そのようなポジショニングになったのだと考えられます。ライン編成の感覚では「リスポーン近すぎて不利なのでは?」と思われるかもしれませんが、ライン編成はある意味敵味方両方が削りあいをする戦い方をします。一方でダイブ編成では基本的にエンゲージに勝つ方が一方的に殲滅するというパターンになります。しかもそれはものの数秒の出来事です。ライン編成ではじっくり戦うのでリスポーン差が大きく出てくるかもしれません。なんといってもお見合いしてるうちにさっき倒した敵がすぐに出てくるんですからね。しかしダイブ編成では一瞬でケリがつくので、初めに倒した一人が出てきたところで枚数が揃わず鳥葬されるだけです。結局リスポーン内でグループアップを待つ必要があります。

このように、そのマップで最も都合の良いポジションはどこか?という一点に絞ってポジショニングを考えられるのが大きな強みになります。奇襲も仕掛けやすいので相手にとって想定外のデスが生まれたりして予定を狂わせることができます。また、強ポジションを取ってしまえば、あとは原則その1「先制攻撃の原則」に則って強ポジの効果が発揮される範囲で戦っていけば、ソルジャーやゼニヤッタに触れられづらく、相手にとっては戦いづらい状況になると思われます。

 

今回は以上です。本当にざっくりとした記事になりましたが、何かの役に立てればうれしいです。ありがとうございました。