OW備忘録

Overwatchの戦略など、思い付いたことを書き残しています。

防衛ポジショニング研究:“高所取り”

どうも、五十鈴エルフです。

ライバルマッチをしているときにランカーのラインハルトとザリアがお互いのultでしっかりお互いのultをためる動きをしていて、これぞまさにult連鎖!というような連携を見ました。もしかしたら上位ではもはや感覚的に常識として捉えられているのかもしれませんね。自分たちのクランもそこまで登りつめたいところです。

さて、今回はTwitterを眺めてるときに目に入った「高所を取る意味」という言葉が気になって色々と考えてみました。

 

<防衛ポジショニング研究:“高所取り”>

今更何を声を大にして言う必要があると思われていることでしょう。それはその通りで、オーバーウォッチに限らずあらゆる対戦ゲームで再三再四にわたる考察がされてきたことだろうと思います。高所有利は言うまでもなく、特に中距離に強いヒーローの需要が高まっている現環境でそれは疑う余地はありません。

ただ、「高所を取ってやったぞ!」と意気込んだものの「・・・で、どうする?」となってしまってオロオロしてるうちにゲージが3分の2過ぎてて・・・、というようなことを経験された方も多いんじゃないでしょうか。実は自分もその一人で、「高所有利は神話でしょ。高所取って勝てるなら乱戦でも勝てるって乱戦乱戦」と思考を停止させていました。ということで、高所を取る意味と有効活用の解剖に繋がるかと思い動画研究とマップ探索をしてみました。残念ながらマップ研究は大会でピックされやすいマップの関係上、ハリウッドA・キングスロウA・ヌンバーニAしかできませんでした。キングスロウA・アイヒェンヴァルデA・ハナムラA・テンプルオブアヌビスBについては高所もくそもないので省きます。ここではハリウッドA・ヌンバーニAについて自分の考察を紹介します。ちなみに、マップ内の各場所の呼び方は自分がいつも呼んでる呼び方でさせてください・・・。

 

・ハリウッドA

ここでの高所といえば門正面のテラスとエリア奥のカフェですね。リフトの上は・・・おいておきましょう。

CS版の、自分がよくプレイするマスター~ダイヤ帯ではよく開幕テラスに陣取って盾割り合戦をしているのですが、自分が見た動画では国内外問わずテラスに陣取るチームはありませんでした。カフェに陣取るのは「卍超究武神覇斬卍」のアナ・ソルジャーあたりが2階、他がエリア内という陣形のみでした。では、他の大多数のチームはどのように陣取っていたかというとエリア前広場の入り口でした。では、なぜテラスを取らないのでしょうか。自分なりに考察してみました。

テラス上を取ることで門~T字路までかなりのプレッシャーをかけることができます。が、実はこれ、壁際に射角の影が結構あるんですよね。上から撃つときにラインハルトの盾からはみ出しては元も子もないので当然盾の裏から撃つわけですが、そうなると感覚的には道幅の半分くらいは影になっています。

さらにもう一点。こちらはどこで戦いたいかということに関係しますが、ハリウッドAで乱戦するとすればエリア内~中間チェックの門あたりの広場だと思うんですが、上を陣取ってしまう事によって攻撃側の右ルート、セキュリティルームからの侵入ルートを明け渡してしまう形になります。ということでエリア奥に陣取るカフェ守りも無しという事になります。

相手をより的確に戦いたくないポジションでくすぶらせておくかを追求したのが、この防衛ポジションなのではないでしょうか。

 

・ヌンバーニA

高所取りの話で一番最初に頭に浮かぶのはヌンバーニAではないでしょうか。エリアを高所に囲まれた地形になっているので、高所問題と向き合わざるをえません。

ここでは全てのチームが何らかの形で高所を取っていました。防衛側から見て右の高所を右上、左の高所を左上と呼びます。

大体のチームは右上と左上の両方に分散させて配置していました。よくあるのがラインハルト、ロードホッグあたりを右上に置いて牽制し、左上にはソルジャー、D.vaといった中距離以遠に強かったり機動力があるヒーローを配置してクロスファイアの形に持っていく形がありがちな形でした。タンクが死ぬ気で耐久してる間に対岸のソルジャーが火力を出す形ですね。

攻め側も色んなルートを取りますが、予め対岸側の人がどのルートで来るかナビゲーションをします。さて、ここで次の問題です。ヌンバーニには広場に直通で入れる右下のルートがあります。エリアの中に入られるととゲージが進んでいってしまうので、エリアに入っていく必要があります。盾を割ってから入ろうか?そうしようとすると時間の問題が発生します。実は盾は大体3秒~4秒ほどで割れるのだそうです。詳しい方は知っているかもしれませんが、実はヌンバーニのゲージの進みはかなり早く、全員で入っていれば約4秒で3分の1を取れるそうです。・・・ギリギリやんけ。そうです、全員で入られるとあまり時間に余裕がないのです。となればできるだけ早く突っ込みたい・・・

できるだけ高所のアドバンテージを残しながら飛び込もうとしたらどうなるか、動画研究でなんとなく見えました。降りる位置はエリア内ではなく道路の方、エリアから見て真正面ですね。上から見るとエリアの左半分に防衛側、右半分に攻撃側が陣取ってる形です。こうすると防衛側が予め取っていた高所有利が最大限に生かされます。そうです、左上にいるソルジャーの部隊です。

実は、攻撃側が陣取っているエリア右半分はド開所の右上戦いづらいド閉所の右下ワンチャン環境キルが怖くて近づきづらい階段の三重苦エリアなんです。それに比べて防衛側はロードホッグのチェーンはペイロードよりも手前でないと届かず、D.vaが抑えに行きたくても敵を飛び越えて行く必要があり困難、ソルジャーで削っても護衛のD.vaがディフェンスマトリックスで吸い取ってるうちにバイオティックフィールドで回復。というように、かなり防衛側有利な位置取りになることが分かります。もしAETRIA側、つまりエリアに直接飛び込む形にするとソルジャー部隊は隙だらけ、最悪フックの餌食になってあっさりオダブツということになりかねません。

このように、高所をどう生かすかはソルジャーやアナ、ゼニヤッタといったよく高所に置かれるヒーロー単独の問題ではなくチーム全体の問題としてしっかり認識する必要があります。

 

今回は2つのマップで高所取りの様々な側面を見てきました。高所を取るべきかどうかは、

・どこで戦いたいか

・どう戦いたいか

の要素が関わっていることが見えてきました。高所を意識することは重要なことですがそれと併せて、なんのためにそこを陣取るのか、また陣取った後どのように戦いを動かすのか、どう有利を活かすのか、そういったビジョンをチーム全体で共有する、もしくは野良であってもゲームメイカーとなるタンクやサポートが意識的に先導する必要があるのではないかと思います。

本当はヴォルスカヤ・インダストリーやハナムラBの考察もしたかったのですが、これはまた別の機会にさせていただきたいと思います。

長文失礼しました。ありがとうございました。